AIを使う業務は決めた。それでも、現場のやり方は元に戻る。
対象業務を決め、AIを組み込んだ手順も作った。研修も済ませた。それでも数ヶ月後に現場を見ると、以前のやり方が残っている。
使っている人は使っている。使っていない人に聞くと、忙しい、自分の担当には合わない、と返ってくる。誰も反対はしていない。それでも、新しいやり方は標準になっていない。
よくある対処
こうした状況に対して、よく行われるのは次のような対応です。
- 利用状況をダッシュボードで可視化する
- 好事例を社内で共有する
- 推進担当が各部署を回ってフォローする
- 説明会や勉強会を追加する
- 経営層からあらためて方針を発信する
どれも必要な取り組みです。ただ、呼びかけを続けている間は動いても、手を離すと元に戻ることがあります。
それでも解消しない理由
問題は、現場の意欲や理解度だけとは限りません。
新しい業務設計を、標準の仕事の進め方として維持する仕組みがない可能性があります。手順書、承認の流れ、役割分担、評価の対象は以前のままで、新しいやり方だけがその上に乗っている。
その状態では、使うかどうかが個人の判断に委ねられます。忙しいときに元のやり方へ戻っても、誰も困らず、誰も気づきません。
新しいやり方が続いているかを確認する時点も決まっていないため、元に戻ったこと自体が見えません。推進する側は利用状況を追い、現場は従来の基準で評価される。ずれたまま、定着したかどうかを誰も判断できません。
見直すべき構造
ここで確認したいのは、次のような問いです。
- 新しいやり方は、どの手順書や運用ルールに書かれているか
- その業務の承認や引き継ぎの流れは、新しいやり方に合わせて変わっているか
- その手順を維持する役割を、誰が担っているか
- 従来のやり方に戻ったとき、それが分かる仕組みはあるか
- 現場が評価される基準は、新しいやり方と一致しているか
- 定着したかどうかを、いつ誰が確認するか
これらが決まっていないと、推進を続けている間だけ動き、手を離すと元に戻ります。
社内共有のための素材
相談すると何が整理されるか
Latentとの相談では、まず新しい業務設計が現在どこまで正式な手順として書かれているかを確認します。そのうえで、承認の流れ、役割、評価の基準、定着状況を確認する時点を、既存の運用に接続する形で整理します。
利用を促すための施策の整理ではありません。新しいやり方が標準として残る状態をつくるための整理です。
関連するProblem
同じようにAI活用が定着しないと感じる場合でも、そもそも対象業務と変更範囲が決まっていないのか、部門ごとに検討が進んだまま全体としてひとつの案にまとまっていないのかによって、見るべき構造は変わります。
現在の状況を伺い、どこから整理するかを一緒に確認します。どの記事が近いか分からなくても、課題や依頼内容が明確でなくても問題ありません。