方針は決まった。でも、そこから先が進まない。
このページでは、決めたはずのことが実行に移らない状態について、どこに工程の空白があるのかを整理します。
中期計画も将来像もある。重点テーマの一覧もできている。推進のための組織を作ったところもある。半年以上検討を続けている場合もあります。
それでも、担当・期限・数値を含む計画にならない。会議のたびに同じ議論に戻る。
該当の確認
次のうち、いくつ当てはまるでしょうか。
- 将来像や方針はあるが、そこから先の計画になっていない
- 重点テーマが並んでいるが、粒度も難易度も担当もそろっていない
- どれを進め、どれを止めるかが決まらないまま時間が経っている
- 推進組織は作ったが、何を決めてよいかが定まっていない
- 推進を担う人が兼務で、具体化に手が回らない
詰まりの構造
これらは別々の問題に見えますが、根は一つです。
方向性を決める工程と、実行する工程のあいだには、抽象度を段階的に下げる工程があります。この工程に、担当が付いていません。
将来像は方向性の言葉で語られます。計画は担当・期限・数値の言葉を必要とします。この変換を誰の職務にも置かないまま進めると、次の3つが同時に起きます。
粒度が揃っていないため、比較できない
重点テーマとして並んではいても、一つは全社の構造改革、一つは特定業務の効率化、というように大きさが違う。粒度が違うものは同じ土俵に載りません。
優先順位を付けようとしても議論が噛み合わず、結果として全部が薄く進みます。
「止める」判断の担い手がいない
進めるものを決めることと、止めるものを決めることは別の作業です。
止める判断は、社内の誰かが単独で下すには政治的な負荷が高い。過去に承認された経緯があり、担当者がついている。そのため、止める判断だけが宙に浮いたまま、リソースが分散し続けます。
組織はあるが、何を決めてよいかが決まっていない
推進組織を新設しても、役割・指示体系・全社への広げ方が固まっていなければ動けません。何をもって進捗とするかの指標がなければ、成果も測れません。
組織図の上には存在するが、権限と評価軸がない状態です。
そして、この工程は兼務では着手されにくい
抽象度を下げる作業には、情報を分解し、選択肢と判断材料に変えるまとまった時間が必要です。
日常業務と並行する体制では、締切のある仕事が先になります。そのため、この工程は「重要だが誰も着手していない」位置に留まりやすくなります。
認識の転換
この状態に対して、よく取られる対応があります。
ロードマップを作る
テーマの粒度と判断軸が揃っていなければ、順番を並べただけになる
推進組織を作る
権限と評価指標がなければ、組織があっても動けない
担当を割り振る
何を完了とするかまで具体化されていなければ、担当だけが付く
必要なのは、体制を足すことではありません。
並んでいるテーマを同じ粒度に揃え、比較できる形にし、進める/統合する/止めるの判断軸を置くこと。 そのうえで、決まったものを担当・期限・数値の水準まで落とすことです。
Latentが引き受けること
検討済みの内容を棚卸しし、テーマの粒度を揃えて同じ評価軸に載せる
進める/統合する/後にする/止める の判断軸を設計し、決定の場に材料として出す
将来像から事業戦略・事業計画・実行計画への段階的な落とし込み
推進組織の役割・権限・意思決定ライン・評価指標の設計
経営会議・執行役員会・取締役会で使える説明資料の作成
決めた後の計画を更新し続ける運用の設計
引き受けないこと
- 将来像そのものをゼロから描く役割ではありません。 すでにある方向性を、決められる形と動ける形に変えるところを担います
進め方の一例
検討済み内容の棚卸しと論点整理
関係者へのヒアリングと既存資料から、いま何がどこまで決まっているのかを整理します。テーマや体制が固まっていない段階から着手できます
選択肢の設計と経営判断への接続
進め方の選択肢を並べ、投資・効果・リスクを比較できる形にします。決定の場で必要な論点を揃えます
計画への具体化
決定した方針を、施策・担当・期限・数値の水準まで変換します
運営への移行
進捗と評価指標の運用を回しながら、社内の担当へ引き継げる状態まで持っていきます
到達する状態
- 検討中のテーマが、同じ粒度・同じ評価軸で一覧できている
- 何を進め、何を止め、何を統合するかが決まっている
- その決定が、必要な意思決定の場で承認されている
- 各テーマに担当・期限・マイルストーンが付いている
- 推進組織が、何を決めてよいかを知っている
- 計画が四半期ごとに更新される運用になっている
社内共有のための素材
この状態を社内で共有し、どこから整理するかを検討するための整理シートです。
- 粒度が揃っていないため、比較できない
- 「止める」判断の担い手がいない
- 組織はあるが、何を決めてよいかが決まっていない
- そして、この工程は兼務では着手されにくい
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できる根拠
構造化する
並んでいるテーマを分解し、粒度を揃えて同じ軸に載せる
決められる形にする
進める/止める/統合する の判断材料を、経営が決裁できる粒度で揃える
実行できる形にする
担当・期限・数値を持つ計画に落とし、更新される運用にする
壁打ちへの導線
まずは状況を整理するところから
- 課題や依頼内容、予算や開始時期がまだ決まっていなくても構いません
- 初回で行うこと:現在の状況を伺い、どこから整理するかを一緒に確認します
- どのSituationが近いか分からなくても構いません
方針は決まっているのに動き出さない、という状態からで構いません。